こんにゃくの作り方

こんにゃく芋について

こんにゃく芋は、じゃが芋と同様にタネイモから増やしますが、じゃが芋と違って成長するのに2~3年必要です。
まず、春にタネイモを植えると新イモができ、そこから地下茎が伸び、秋には生子(きご)というこんにゃく芋の“赤ちゃん”ができます。この生子を一度収穫し、次の春に再植付けをしたものを1年生、これを秋に収穫したものを2年生、さらに次の春に植えて秋に収穫したものを3年生と呼びます。
生子から1年生では5~10倍に、2年生から3年生ではさらに5~8倍に成長し、3年生になると大きいもので直径30cmほどに成長します。こんにゃく作りに適しているのはこの3年生ですが、こんにゃく芋は低温に弱く、腐りやすいため、収穫してから次に植えるまでの保管がとても難しい作物なのです。

こんにゃく芋の種類

こんにゃく芋は、じゃが芋と同様にタネイモから増やしますが、じゃが芋と違って成長するのに2~3年必要です。
まず、春にタネイモを植えると新イモができ、そこから地下茎が伸び、秋には生子(きご)というこんにゃく芋の“赤ちゃん”ができます。この生子を一度収穫し、次の春に再植付けをしたものを1年生、これを秋に収穫したものを2年生、さらに次の春に植えて秋に収穫したものを3年生と呼びます。
生子から1年生では5~10倍に、2年生から3年生ではさらに5~8倍に成長し、3年生になると大きいもので直径30cmほどに成長します。こんにゃく作りに適しているのはこの3年生ですが、こんにゃく芋は低温に弱く、腐りやすいため、収穫してから次に植えるまでの保管がとても難しい作物なのです。

こんにゃく芋の栽培方法

「運玉(うんだま)」と呼ばれたこんにゃく芋

古くから栽培されていたこんにゃく芋ですが、意外にも安定した栽培法が確立されたのは昭和30年頃。こんにゃく芋は葉に傷がつくだけでも病気になってしまうほどデリケートな植物のため、強い日光や風、干ばつ、水はけのわるい場所ではうまく育ちません。それまでは長年の経験と運まかせだったため、「運玉」とも呼ばれるほど栽培者泣かせの作物だったのです。
こんにゃく芋は年平均13度ほどの気温が必要なため、寒冷地では栽培はできるものの、大きく育つことが難しく、露地栽培は宮城、山形あたりが北限となります。昔はごく一般の農家で家庭用に栽培されていましたが、生産重視の栽培になってからは群馬をはじめ、栃木、埼玉などの北関東地方で多く作られるようになりました。

収穫したこんにゃく芋もデリケート

タネイモとなるこんにゃく芋は収穫後の温度管理が必要です。畑で半日干してからさらに風通しのよい日陰でよく乾燥させます。冬の間は新聞紙に一つずつくるみ、風通しのよいかごなどに入れて最低気温が13度以下にならないところに保存します。

こんにゃくをどうやって作るか

マンナンが固まる性質を利用

こんにゃく特有のプリプリとした歯ざわりは、こんにゃくに含まれるこんにゃくマンナンという食物繊維が灰汁(あく)というアルカリ性物質によって変化したためです。昔は、こんにゃく芋を生のまま、あるいはゆでて皮をむいてすりおろしたものを使うのが主流でしたが、今ではこんにゃく芋を薄く切って乾燥させ(荒粉・あらこ)、さらに細かい粉(精粉・せいこ)にしてから作る方法が主流になっています。
これはすでに1700年代に常陸の国(今の茨城県)の中島藤右衛門が発見した方法で、この加工法によって一年中こんにゃくを作ることが可能になりました。こんにゃく芋はとても腐りやすかったため、この方法が発見されるまでは、こんにゃく芋が収穫できる秋限定の食べ物だったのです。

灰汁でアクを抜くのがミソ

こんにゃく芋は、少しかじっただけでも口の中がピリピリするほどの強烈なエグミがあり、他の芋のようにそのままゆでたり、焼くだけでは食べられません。エグミの正体はシュウ酸やフェノール誘導体など、これらを中和して取り除くために必要なのが、こんにゃくを固める働きもする灰汁
(あく)です。誰が思いついたかは定かではありませんが、アクを灰汁で取り除くという先人の智恵には脱帽です。灰汁には、昔は草木灰が使われていましたが、最近では消石灰(水酸化カルシウム)や炭酸ソーダ(炭酸ナトリウム)が使用されています。
使用量は、消石灰なら、生いもの重さの0.5~1%(精粉の場合は重さの約6%)が目安です。しっかりとアクを抜くためには、固めたこんにゃくを30分~1時間ほど煮てから十分に水にさらすことが肝心です。
なお、生のこんにゃく芋500g分で板こんにゃく5~6枚を作ることができます。

精粉(せいこ)の作り方

  • (1)収穫した生芋を水洗いする。
  • (2)裁断し、切り干しにする。(荒粉)
  • (3)乾燥させたものを混じり気のないきれいな精粉にする。こんにゃくマンナンが変質しないで糊力のある粉に仕上げるためには熟練した高度な技術を要する。

精粉(せいこ)を使ったこんにゃくの作り方

  • (1)50~70度に温めた湯に精粉を少しずつ加えながらよく混ぜ合わせ、しばらくおく。
  • (2)消石灰をぬるま湯に溶かした石灰水を(1)に加え、全体が均一に混ざるように手早くこねるように混ぜ合わせる。
  • (3)板状の型に流し込み、30分~1時間ほどおき、手で触ってもベトベトしなくなったらたっぷりの湯で30分~1時間ゆでてアク抜きをする。
  • (4)水にさらし、水を時々替えながらさらに半日ほどアク抜きをする。

現在では製造設備が整い全自動的にこんにゃく製品が作られている。